リジッド基板について

Ally Japan㈱ 営業部 秋山です。


プリント基板は大まかには、次のように3つに分類されると思います。


1. リジッド基板(硬いを意味するRigidから、こう呼ばれております。)
柔軟性のない絶縁体を用いた基板


2. フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)
薄くて柔軟性のある絶縁体を用いた基板


3. リジッドフレキシブル基板
硬質な材料と薄くて柔軟性のある材料を複合した基板


今回は一般的にプリント基板と呼ばれる、リジッド基板について一言…。

リジッド基板の構造から分類すると次のようになります。


【片面基板】
片面のみにパターン(導体)があるもの。1層基板


【両面基板】
両面にパターン(導体)があるもの。2層板


【多層基板】
お菓子のウエハース状に絶縁体とパターン(導体)を積み重ねたもの。


部品実装密度が上がり、回路が複雑になると、両面基板では回路配線を

収容しきれない場合は、層を増やして多層板で対応してする場合があります。
表層以外の層は直接目視できないため、保守性が劣るため、4層板の場合は、

目視しやすくするために、内層(L2、L3)を電源層及びグランド層として、

表層(L1、L4)に信号線を配置する設計が大半となっております。


また、さらに高密度実装が要求される機器では、6層や8層基板もしばしば

採用されております。
層数を増やす方法は、4層で収容しきれなくなった信号配線を追加層に

順次収容する場合と予め層数を決めて、各層に平等に配線設計する場合があります。


尚、多層板の種類を大きく分類すると、スルーホールで層間の回路を接続する貫通多層板、
Interstitial Via Hole(IVH)で層間を接続するIVH多層板、

ビルドアップ工法で製造されるビルドアップ基板に分けられます。


貫通多層板はパソコン用マザーボードなどの比較的大きいサイズの基板で

採用されております。そ

れにひきかえ、ビルドアップ基板(海外ではHDIと呼ぶ)は、逐次積層法により
一層ずつ層を積み上げ(ビルドアップ)、レザー加工などで、直径0.08~0.1mm程度の

微細な、層間接続ビアを形成した小型でも配線密度の高い多層板を実現しております。
ビルドアップ基板と一言で言っても、多くの企業でさまざまな方式で製造されております。


日本IBMが開発した、感光性樹脂にフォトリングラフィで穴をあけをおこなう、

SLC(Surface Laminar Circuit)基板が先鞭をつけたとされるが、

現在は京セラサーキットソリューションズに移管されております。


また、海外では、ビルドアップ基板とは言わず、High Density Interconnect(HDI)、

層間接続ビアはMicro-Via(マイクロビア)と呼ばれております。

このいわゆるビルドアップ基板は、携帯電話、デジタルカメラなど実装密度が高く、

薄型化が要求される短小軽薄製品にどんどん採用されており、これからも、

需要の高まる基板であることは間違いないといえます。


ただ、このビルドアップ基板は基本的に一層ずつ積層を行い、その都度ビア形成、

パターン形成を行う必要があるため、積み上げ層数が増えれば、増えるほど、

製造コストがかかる欠点があります。


現在、当社ではビルドアップ基板を採用するにあたって、設計から層数の削減などの、
コストを抑える設計などを提案させております。

ビルドアップ基板を採用したいが、コスト…がとお思いのようでしたら、

色々なご提案をさせて頂きますので、是非ともご相談下さい。


次回はFPCについてお話ししようと考えております。