クロックについて part2


元回路屋の出番となりました。

懲りずにクロックの話です。


「CLK出力にダンピング抵抗が付加されている場合は、出力ピン直後に抵抗を配置する」

と言う話は皆様御存知と思います。

 上記のようにCLKの変換点にてリンギングによるオーバーシュート・アンダーシュートが

発生している。                  
 このような波形のパターンは極力短くし、他信号への悪影響を最小限にする。                  
 リンギングは、出力インピーダンスと入力インピーダンスが異なる為、反射が起こり、

それが重畳することにより発生する。                  
 リンギングによるオーバーシュート・アンダーシュートが大きいと、

High / Low の閾値(スレッショルド)を超え、誤動作の原因となる。                  
 (閾値は、本数値以上の電圧で”H”と認識され、それ以下の電圧だと”L”と認識される

基準値のこと)                  
 このように、ダンピング抵抗には共振を防ぐ効果がある。                  
                   
 また、ダンピング抵抗はドライバの出力抵抗の値とパターン の特性インピーダンスの

値との差をなるべく一致させるように挿入するものである。                  

 ドライバの出力抵抗は、10Ωとか20Ω程度の場合が多く、線路の特性インピーダンスは

50Ω程度である。                  
 ドライバの出力抵抗を10Ω,ダンピング抵抗を22Ωとすると、

ドライバの出力抵抗とダンピング抵抗とが直列接続されることによって32Ωになり、

線路の特性インピーダンス50Ωと値が近くなる。                  
 途中に入れると、その効果はなく、逆に、線路の途中で特性インピーダンスの

不一致 (ミスマッチ) が生じるので、 ドライバの直近に入れるべきなのだ。                


 との理由により、ドライバ出力直後に抵抗を挿入するべきなのでした。