アートワーク設計のコストダウン

前回、アートワーク設計の視点からいかにコストダウンができるか?と言うことを

お話する直前で終わってしまいましたので前記した順に説明いたしましょう。


①基板の大きさ
これにつきましては、お客様の指定外形ですので、どうしようもないですが・・・

ホントにどうしようもないでしょうか?
その基板がどのような用途かによっては外形形状はいくらでも相談可能ですね。


例えばブレッドボードのように製品前の動作確認用基板では、回路設計者の方、

または機構の方が「まぁこれくらいの大きさであれば、回路はのるだろう」との予測から、

余裕をもってご用意頂く事もあります。
指示された大きさで作成するなら猿でも・・・これは言い過ぎ。

小さく出来る提案ができるのであれば、お客さんに相談する価値はありますよね。


さらに、とてつもなく大きな基板でない限り、面付けして基板製造することが

おおいと思いますが、量産を踏まえた上でルータ加工でも金型でも問題なく、

且つその後の扱いも楽で、さらには如何にワークサイズに対して取り数を多くとれるか?
をアートワーク設計者も知っておくことは必要だと思います。
そのためには、工場のワークサイズも把握する必要がありますね。

アートワーク設計者はそこまで知る必要がある・・・? 答えはYESです。

面付け加工によって、部品配置にも配線にも影響する事もあります。たとえばVカット、

ミシン目、流し方向など設計するにあたって注意すべき事も多々発生してきます。
設計者は効率的かつ扱いが容易な面付けができなければならないはずだと私は考えます。


②層数
こちらは言わずもがな、基板の価格にもろに影響します。また日程も影響しますので、

できるだけ少ない層で設計することが必要です。
ただ、単純に層数が少なければいいでしょ?という話ではなく、

そこには電気的な要素が含まれておりますので、十分な配慮も必要です。
クロストーク、リターンパス、共通インピーダンス、その他さまざまな理由で

あえて層数を増やしている場合もありますので単純に層を減らす事で

コストダウンになるから、とお客様に相談してもいけません。
廃棄する基板を製造すことになりかねませんので、ご注意を。


③使用VIA
こちらも設計をされている方であれば知っていて当然のことですが、

VIAの穴径とアニュラリングだけでも歩留まりに影響しますし特殊なVIAを使用すれば、

さらに価格に影響します。
昨今はCSPを使用している基板が多いので、貫通VIAのみで物理的な理由で設計が

出来ないデバイスもありますので、一概に貫通のみで、とも行きませんが、

あえて層間VIAを使用しなくても良いものまで層間VIAを使う必要はありませんね。
でも、お客様の初期仕様に層間VIA仕様と書かれていたら、

そのまま設計してしまう方も・・・いるかもしれませんよね。


とにもかくにも「提案力」こそがアートワーク設計者には必要であり、

AllyJapan設計部では常にそれを心掛け設計を行っています。
もし、他社様で設計した基板で「価格に納得がいかない」と言ったご経験があれば、

お試し見積もりで結構ですので、是非ご相談ください。


その時の設計仕様、図面などもあればより詳細にご提案させて頂きます!