GNDループの続き

元回路屋でございます。


またまた今回も『GND』のお話です。


前回は、「GNDループ」はノイズ発生の原因となるので避けましょう。で〆たと思います。

その続きを。


しかしながら、「GNDループ」は絶対悪ではないことを知っておかなければなりません。


ディジタル回路基板などでは、部品やパターン以外の空き領域にベタを入れる場合が多々あります。

このような場合、基板全体にベタを入れるので、知らぬ間に「GNDループ」となっている場合もあると思います。

しかし、ループになったGNDによって生じるノイズのレベルが許容値以下であれば、

このような接続方法が、性能向上やインピーダンス低減の点で有利な場合もあるということであります。

このような場合は、「GNDループ」」が存在していたとしても、【最適な】配線であると言えます。


基板外部からのノイズの影響(EMS)と基板外部へのノイズの影響(EMI)の性能向上にも繋がります。


高周波回路基板の場合、静電誘導よりも電磁誘導の方が効いてきます。

電磁誘導の場合には、GNDベタに電流を流すことによって、シールド効果が期待出来るからです。

電流を流すためには、ループになっていることが必要となります。


このように、回路・基板の特徴に応じ「GNDループ」をうまく使い分けることが大事となってくると思います。

 

ちなみに「GNDループ」は「GND」だけに限った話では無く、導体がループしていれば「GNDループ」と呼びます。