天敵『ノイズ』のお話

元回路屋でございます。


今回は皆様の天敵『ノイズ』のお話です。

 


一般的に「ノイズ」と言われるものでも、その種類毎に分類することが出来ます。


まず大きく分けて、伝導ノイズと空間ノイズに分けることが出来ます。

「伝導ノイズ」にも2種類があり、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズと分類されます。

一方の「空間ノイズ」も放射ノイズと誘導ノイズの2種類があります。

伝導ノイズは低周波であり、空間ノイズは高周波という特徴を持ちます。


「ノーマルモードノイズ」は、パターン間に発生するノイズで、差動信号のようにノイズの帰路にて
ノイズ同士が打ち消しあう為、ノイズは少なくて済みます。

一方「コモンモードノイズ」は、パターン~GND間に発生し、電流はアースを通ってノイズ源に戻る為
信号間で相殺されず、ノーマルモードの数倍のノイズを発生してしまいます。
これを抑制するには、コモンモードの電流を抑えることが重要となります。

具体的には、
 ・ GNDをベタにしてインピーダンスを下げる
 ・ 信号線とGND間隙を狭くして、相互インダクタンスを増やす
 ・ GNDパターンを短くする
 ・ フィルタなどの電子部品にて高周波成分をカットする
などがあります。

 

ノイズの発生源を作らないのが一番の恒久対策ですが、現実問題としては
完全に無くすのは難しいのが現状だと思います。

ベタや間隙を調整することによって、ノイズは低レベルに抑えこめることを覚えておくと良いですね。