信号のリターン経路

こんにちは、設計部の淺原です。
リターンがどのように帰ってくるかの続きをお話します。

上図は信号がスタート地点からゴール地点まで流れる場合のリターンの経路の図です。

4層基板の場合で、L2層がGNDベタの場合、この図の水色の線のようにGND層を通って
最短で帰ってくると思ってい方はいらっしゃいませんか?
実際にはリターンは赤の線のように、信号に沿って隣接層、または平行に配線された線を
通って帰ってきます。
断面からみると下図のようになります。

そのため、中間でVIAで配線層を入れ替えている場合、裏面の配線はVIAまでは隣接された電源層を
帰ってくるのです。
図では二つの電源層をまたぐ格好で信号が配線されており、良くない配線となります。

また、途中からはL2層を使って帰ってきますので、断面図からも分かるように、リターンが
電源層とGND層で切れてしまっており、リターンが信号に沿って帰ってくる事ができません。
このような場合は信号の切り替えし部分(※1部)に電源とGNDのVIAも設ける事が望ましいです。

信号線に隣接、または並走した分断のない線、もしくはベタがある事が理想となりますので
それを意識した内層設計を心掛けるようにすると良いでしょう。

知っている方には当然の事をあたかも、どうですか?!のように書かせて頂きましたが、もし
お役に立つことがあれば幸いです。

次回も宜しくお願い致します。