【新年のご挨拶】常識を発達させるということ

 

あけましておめでとうございます。

 

 

 

 旧年中は格別のご厚情を賜り、まことにありがとうございました。

 

おかげさまで弊社は今年の11月に創業15周年を迎えることとなります。

 

 本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。 皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

 

 

 

 さて、新年一つ目の記事ということで本日は少し大きい視点で考えてみたいと思います。

 

 

 

 「世の中の変化のスピードが速くなった」なんて話が毎日のようにされていますが、それがどの程度のものか検証した面白い話があります。人工知能の世界的権威でも知られるレイ・カーツワイル氏の「収穫加速の法則」です。この研究者は、AIでもおなじみシンギュラリティの方が有名ですね。

 

 

 では「収穫加速の法則」とはどういったものでしょうか。以下の図をご覧下さい。

 

 収穫加速の法則とは、大きな技術的進歩があった時に、その進歩が次の技術的革新を早めるという法則の事です。注目すべきことは、その進歩は指数関数的に進むということで、次の技術的革新は過去のイノベーションが起きてきた感覚よりもずっと早くやってくるということです。ビジネスという視点で考えると、今までのペースで仕事をしていれはあっという間に次のイノベーションが起こって取り残されてしまいますよというメッセージに感じます。

 

 

 

 似たような話に、半導体の世界で利用されるムーアの法則があります。これは、集積回路のトランジスタ数は18カ月ごとに2倍になるというものです。ムーアの法則については、物理的な制約の面から法則の限界が指摘される部分もありますが、収穫加速の法則はもっと俯瞰的なもので、その原点は生命の誕生に始まります。最近のイノベーションではコンピューターの登場やITがあげられることが多いですね。例えば、IT技術の発展は、少し古いですが「クリックアンドモルタル」なんて言葉に代表されるように、従来の物理的な制約を次々と外していっていますから、一部の世界では指数的な成長に限界が存在しても、世界全体では収穫加速の法則が成立するのではないか、もしくは成立するための土壌は既に整いつつあるのではないかと考えています。

 

 

 

 次のイノベーションはいつ来るのか、それが何かということを予測することは実際難しいと思います。しかしながら、我々がそういう時代に生きているんだという自覚を持つことは大事だと思います。過去5年と次の5年は全然違うものになるでしょう。去年1年と今年の1年もきっと様変わりしてしまいます。ビジネスに限らず、「対前年」という指標がKPIとして非常に重宝されますが、これが単純に使えない時代になってしまいました。これからの時代、過去の成功事例・今ある当たり前そのものが、身を亡ぼす要因になるように感じます。

 

 

 

 とある幕末の藩士は「常識を発達させよ」という言葉を残しています。私はこの言葉が好きです。常識とは社会の人が共通で持っている「固定的」な概念のことです。固定的であるが故に共通見解が生まれ、だからこそ常識には意義があるはずです。これを敢えて発達させろという処に“粋な矛盾”を感じます。この様な時代に生きる我々だからこそ、常識を発達させ、次の時代でも選ばれ続けるために新しい挑戦を楽しめる集団でありたいと思います。変わることに喜びを見出す姿勢そのものが、これからの時代に躍動する企業に求められる一つの資質であると信じています。

 

 

 

 お客様のため、社会のために常識を発達させ、来年のこの日にはまた新しい常識の上に新年のご挨拶を差し上げることができるよう、社員一丸となって進んでまいりますので本年も何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 本日も最後までお読みいただきありがとうございました。