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【新年のご挨拶】進化と退化、変化と停滞

あけましておめでとうございます。

    

 旧年中は格別のご厚情を賜り、まことにありがとうございました。

  お陰様で弊社は今年の11月に創業17周年を迎えることとなります。

  本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。また、併せて皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

 

 早いもので新型コロナウイルスによる社会影響が出始めてから2年が経とうとしています。工場の稼働状況を確認したり緊急事態宣言に伴う勤務体制の変更をしたり沢山の事がありました。ウイルスの拡大は、ロックダウン等に伴う原材料高、部品不足の一員となり製造業はここにきて更なる困難に直面しています。

 

 弊社の主力事業の一つである基板においては、昨年の11月頃から価格・納期面で調整が必要になることが多く、基板はまさに原材料との戦いの1年になりました。特に上半期は厳しい調整が続きましたが、基板商社として培ってきた経験や工場との関係値、現地法人のスタッフの尽力によりエンドユーザー様への影響は極めて小さく抑えることができたと自負しております。現在では、価格納期とも安定状態に入り、通常期と同様のQCDで製品提供しております。一方ここ数年で取引が拡大しているモーターやファンといった製品については原材料の影響を基板にやや遅れて受けているものの、現時点では全くお客様に影響が出ないようコントロールすることができております。海外工場との安定した取引には、特化した調整能力が必要であると改めて感じた1年でした。

 

 早く元の生活に戻りたい、よくそんなことを考えますが、一方で別の視点が必要であるようにも思います。ビジネスや企業を生態系や生命の変化に準えることが往々にしてあります。進化は後戻りしないと言われます。環境の変化に応じて生物の遺伝的形質が変化していくことを一般的に進化と呼ぶわけですが、環境が変化前の状況に戻ったとしても一度変化した遺伝的形質は元には戻らないそうです。社会も同じ側面があるように思います。「元の生活」というのは一つのキーワードですが、完全に戻るわけではなく今の状況から少しでも良くなるように新たな進化をしていくのが実態なのかもしれません。

 

 もう一つ進化について考えてみます。「進化」の対義語は「退化」と学校で習いましたが、このほかにも対義語は存在するように思います。「進化」と「退化」はある変化に対して、特定の評価基準をもって見た時、にそれがプラスかマイナスかといった観点での対義語です。これとは別に進化の「変化」に焦点を当てると、変化しない事「停滞」が対義語になります。進化なのか退化なのかということについては、その物差しに依存するのであって実態は変化そのものなのだと思います。

 

 この新型コロナウイルスを客観的な変化だと認識するには負の要素は大きすぎますが、それでも一つの物の見方として、多くの尺度でこの社会環境を捉え、次なる時代へ進化できるような企業でありたいと考えております。弊社の主力事業はPCBの設計から製造でございますが、昨年はそれらに加え、部品調達や実装、またはモーターやファンといった電子部品の供給のお取引が多く始まった年でした。今までの事業プロセスで培った強みがこの時代の変化の中で一つの形となったように思います。

 

 今年も社会の変化を見極め、少しでもお客様のお力になれるよう社員一丸となって取り組んで参ります。

 

 

 本年もよろしくお願い致します。