【福利厚生制度】ハマふれんどについて

 

 今回はAllyJapanが参加している福利厚生制度のご紹介です。

 

 

 

 新卒の就職や転職市場では大企業と中小企業という二元論での比較をよく見かけます。分かりやすい二択なのでそれ自体は一つの見方だと考えています。この比較構造の中で大企業に軍配があがる項目の代表格に「福利厚生」があります。充実した福利厚生制度を整えるには、それ相応のリソースが必要になりますから、大企業に有利な項目であることは間違いないですね。

 

 

 

 とはいえ、中小企業でも充実した福利厚生制度が整備できる制度が横浜市にも存在しています。それが「ハマふれんど」という制度です。

 

横浜市内の中小企業向けの制度で、社員一人当たり1ヵ月500円を掛け金とすることで多様な福利厚生サービスを受けることができます。レジャー施設の割引や、健康・フィットネス、育児や介護の支援に加え、結婚や子供の成長に合わせた祝い金の支払制度も存在しています。

 

 

 

中小企業として嬉しいのは、多様な福利厚生サービスから社員一人一人の志向に合ったサービスを受けられる点です。沢山の制度を作る時間的・人的・経済的余裕が比較的少ない中小企業には非常に良い制度です。特に2000年代以降はライフスタイルの多様化に伴い、福利厚生制度も画一的なものよりも選択型のものに人気が出る時代となっていましたが、まさに時代の潮流に合った制度です。このハマふれんど、開始は昭和45年と歴史ある制度でかなり時代を先取りしていたようです。ちなみに、このハマふれんどの費用ですが、福利厚生費での計上とするためには税務上の定義である「全社員が利用でき、且つ常識の範囲内のもの」を満たす必要があるので、事業所の全員が参加することが基本です。

 

 

 

私も以前、ハマふれんどの事務局に話を聞いてきましたが、本制度は原則税金を投入せず掛け金だけで運用がされているそうです。比較的少ない掛け金で多くの制度を作ることができる要因は、ハマふれんどの参加企業の基盤が厚いからです。利用者の基盤が厚いため、サービスの提供側からするとハマふれんどへの参加自体に広告宣伝効果としての魅力があり、それが制度構築のドライバーとなるという仕組みです。

 

 

 

参加者が増えるにしたがって参加する価値が上がる仕組みを、ビジネス上の言葉で「ネットワーク外部性」と言います。ブログやSNSなんかがいい例ですね。1人や2人使っているものに参加するメリットはありませんが、みんなが使っているとなると、情報を受け取るにしても発生するにしても利用するメリットは増加します。ITが普及するにつれ、このネットワーク外部性が根底にあるサービスやビジネスは非常に多いですね。最近はやりのC to Cで売買を成立させるメルカリのようなビジネスはまさにこの典型です。

 

 

 

冒頭にも書きましたが、中小企業と大企業という概念軸で考えると、中小企業のデメリットと大企業のメリットが真っ先に比較され、それが強く見える部分があって、なかなか小さな会社で働くメリットにスポットが当たらないのが現状です。この様な中にあって、自治体が「ネットワーク外部性」のようにビジネスの世界にある普遍的な力学をうまく活用し、税金の再分配に頼らずに中小企業を支援する施策には個人的に共感するところが大変大きいです。また、普通に考えれば今後ますます加速するであろう大企業と中小企業の格差の中で、元気な中小企業を育てていこうと思えば、このような制度をどれだけ生み出せるかがキーポイントになるような気がします。

 

 

 

横浜市内にある企業様で参加がまだであれば、是非一度ご検討ください。事務局さんも大変丁寧にご対応してくれます。

 

 

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。