【品質はどこで作りこむか】基板工場の工程設計の考え方(1)

 

IT化という言葉自体がなんだか古めかしい言葉になってしまいました。

 

 

 

今日はそんなIT化という言葉にもう一度立ち返って基板工場の工程設計について考えてみたいと思います。IT化によって、従来ハード開発が必要なものがソフト開発で済むものが多くなり、製品のモジュール化が一気に進みました。パワーエレクトロニクスの分野の成長も甚だしく、いかにに損益分岐点を早く迎えるかということが製品開発における大きな潮流の一つになりました。

 

 

 

早く損益分岐点を迎えるためには、製品開発のスピード自体も上げていく必要があります。こういった背景を元に製造の世界ではコカレントエンジニアリングやフロントローディングといった概念が台頭し、経営戦略としてTBM(タイムベースドマネジメント)といった手法が注目されてきたわけです。

 

 

 

さて、少しずつ話を基板に近づけていきましょう。こういった開発スパンの短期化が「品質は設計段階で作りこむもの」という発想を生み出すことになります。“手戻り”は開発の後ろ段階に行けば行くほど工数を要するからです。では、設計段階で品質を作りこむということはどういうことでしょうか?

 

設計は大きく「製品の設計」と「工程の設計」に分けられます。製品設計とは「何を作るか」という概念の事です。ムラや不良の出にくい作りやすいものを製品段階で開発することは非常に重要です。一方、工程設計とはそれをどのように作るかということです。実際の工場の工程をどのように作りこむかということです。

 

 

 

当社ではAW設計(アートワーク設計)や基板製造を行っていますが、製品設計・工程設計の双方にも携わることとなり、全体を俯瞰してトータルで品質を作りこむ体制が整っております。製品開発のBPRをご検討の際には是非お声がけ下さい。

 

 

 

次回は本記事の続きとして、工程設計を作りこむとはどういうことか考えてみたいと思います。本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。