【工程・作業・動作】基板工場の工程設計の考え方(2)

 

今回は前回に引き続き、基板工場の工程設計について考えます。

 

 

 

弊社のホームページで基板製造のイレギュラー対応を特集している『基板FAQ~なんか変だぞこの基板~』でも折に触れて書いているのですが、基板のトラブルというのは基板を人が手でコントロールすること(基板の「ハンドリング」や「取り置き」という言葉を使うことがあります。)が原因で起こるケースが非常に多いです。

 

 

 

この様なケースでは「工程を作りこむ必要があります」という書き方をさせて頂いておりますが、実際に「工程を作りこむ」とはどういうことか考えてみたいと思います。以下の考えはいわゆるIEIndustrial Engineering)をベースにした少しアカデミックな内容です。

 

工程は作業、動作といった具合にブレイクダウンすることができます。工程は生産活動の進行過程です。「加工・運搬・検査・停滞」なんて大きなくくりにまとめて分析されたりします。作業は工程を構成する実際の仕事の内容の事です。実際に価値を生み出している「主作業」やそれを補助する「付帯作業」、休憩時間などの非作業も、作業の分類の一つです。さらにそれを細かくすると動作になります。動作は実際の体の動き方です。IEの世界ではサーブリック分析やストップウォッチ法という分野で分析されることが多いですね。サーブリック分析にすると、人間の動きは18の大きな動きに大別されます。人間の動きというと複雑な印象を受けますが、その感覚に比べるとサーブリックの分の数は意外と少ない気もしますね。

 

 

 

工程を作りこむということは、動作まで落とし込むということです。「基板は両手で端をもって水平になるようにラックに収納する」これは動作の定義の一部ですね。動作まで作りんだ上で、周知徹底しなければ工程を作りこんだとは言えません。もっと言えば、その動作が工程を設計する上でなぜ必要なのかという理由まで含めて落とし込む必要があります。

 

 

 

工程を作りこんでいれば、同じ作業をしている作業員の挙動は揃います。道具の置き場所から体の動かし方に至るまでです。基板工場を見学する際は、そういった作業員の「ムラ」に注目すると良いと思います。

 

 

 

本日も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。