<FPC>フレキシブル基板の銅箔素材について

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 本日はFPCをテーマにしたいと思います。

 

 弊社では、ハーネスの代わりに利用するような簡易なFPCから高多層のリジッドフレキ基板まで、FPCを利用した基板を多く手掛けております。名前の通りその柔軟な形状から小型機器を中心に多くの利用がありますが、どんなFPCでも同じように柔軟性があるわけではなく、基材や材質、工法によって特性が異なります。本日はその中でも“銅箔”にスポットを当てて話をしてみたいと思います。

 

 

 FPCに使われる銅箔には大きく“電解銅”と“圧延銅”に大きく分けられます。、まずはその概要を以下の通りまとめます。 

【画像 電解銅と圧延銅】

 電解銅箔は、電気めっきの原理で析出させた電解銅箔をFPCに貼り合わせたもので、かつては銅箔と言えば電解銅箔がほとんどでした。圧延銅は、銅を圧延ローラーでなめした銅箔を利用したもので、特にFPCでの利用が進んでいます。

 

 画像左側が電解銅と圧延銅の画像です。電解銅より圧延銅の方が濃い色をしていることが分かります。銅箔に特殊な処理をするケースもあるので一概には言えませんが、一般的にシンプルなFPC基板で圧延か電解かを見分ける時には色味をまず見てみます。

 

 さて、双方の銅箔ですが、FPCに求められる柔軟性といった観点では圧延銅が圧倒的に有利です。その理由は双方の銅箔の結晶構造に理由があります。画像の右側が結晶構造を簡易化したものです。電解銅では、めっき析出面に対して垂直に銅箔が成長していきますが。圧延銅の場合銅箔を面に沿ってなめすので結晶が面と平行に近い構成となっています。圧延銅の方が、FPCの曲げに対して不可なく対応できる結晶構造をしているということですね。

 

FPCというと、小型機器、微細化という側面からファインなパターンを求められることが多いです。一般的には圧延銅の方が銅箔表面の凹凸が少なく、微細化に向いていると言われます。只、実際の開発にあたっては、銅箔には機材や保護層との接着強度が求められます。圧延銅が黒いのも、このアンカー効果を強化するための処理の結果と言えますので、ファイン化=圧延銅と一概には言えないケースも存在します。

 

 FPCに関して、弊社は豊富な実績を持っておりますので、導入をご検討の際には是非ご相談いただけますと幸いです。

 

 

 本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。